車のタイヤは自転車のタイヤと違い複雑な構造をしています。
・何トンもする車両荷重を支えること。
・回転し路面との間に摩擦熱が発生すること。
・路面の凹凸による衝撃に耐えること。
など様々な条件をクリアしなければ安全性や走行性は不安定になります。
そのために、自動車のタイヤを構成するのはゴムの他にワイヤーや繊維などがあります。
主にタイヤ構造には「ラジアル構造」と「バイアス構造」があります。
「ラジアル構造」は、タイヤの骨格を形成するコード層(カーカス)がタイヤの中心から放射状(ラジアル)に配置しベルトで締め付けます。このようなタイプをラジアルタイヤといいます。
「バイアス構造」は、タイヤの骨格を形成するコード層(カーカス)を斜め(バイアス)に配置し、1枚ではねじれによる強度が十分ではない為に逆方向に複数重ねブレーカーで締め付けます。このようなタイプをバイアスタイヤといいます。
現在ではバイアスタイヤよりもラジアルタイヤが、操作性、安定性、耐摩擦性、グリップ力、乗り心地など総合的に優れているので一般的に利用されています。
1.トレッド部
路面接地している部分で衝撃を吸収したり、小石など落ちているモノから内部を守る役割があります。
トレッド表面にはを、グリップ力、排水性、耐摩擦性の向上を図るために各メーカーが様々なパターンの刻み入れています。
2.ショルダー部
名の通りタイヤを人に見立てると肩に当たる部分になります。
トレッド部同様に内部を守る役割と、走行時に発生する熱を発散させる役割があります。
3.サイドウォール部
各部の中で最も屈曲が大きい部分になります。
内部保護、伸びを防ぐ役割があります。サイドウォール表面にはタイヤサイズなどの情報が印字されています。
4.ビード部
ホイールと密着される部分で、空気を入れたときにタイヤをリムに固定させる役割があります。
1.ビードワイヤー
スチールのワイヤーを束ね、ゴムでコーティングされたリング状の補強部分。
カーカスの変形する力を受け止めてタイヤ全体をリムに固定する役割があります。
2.カーカス
タイヤの骨格を形成するゴムでコーティングしたコード層の部分。
車両荷重による衝撃吸収、タイヤ形状が変形する際の空気圧に耐える役割があります。
3.インナーライナー
自転車のタイヤとは異なり、自動車はチューブレスになります。
チューブレスタイヤ内面に密着しているゴム層の部分になり、気密保持性を保つ役割があります。
4.ベルト
トレッドとカーカスとの間のコード層。カーカスを締めつけて、トレッドの剛性を高める役割があります。
担当:大泉